1768年 上野の松坂屋を買収、江戸へ進出
名古屋の伊藤屋が上野の松坂屋を買収して「いとう松坂屋」と改め、江戸へ進出したのは1768年(明和5)のことです。
名古屋の伊藤屋が上野の松坂屋を買収して「いとう松坂屋」と改め、江戸へ進出したのは1768年(明和5)のことです。
尾張徳川家、加賀前田家の御用をつとめ、寛永寺の法衣を販売するなど世間の信望も厚く、江戸の名所として浮世絵にも描かれました。
1907年(明治40)4月1日、江戸時代から続いた座売りを陳列式立売りに改め、呉服に加え雑貨、家庭用品なども扱い始めました。ショーウインドーを巡らし、女性社員を初めて採用したのもこの年です。
1916年(大正5)に、洋風4階建ての新本館が竣工しました。翌1917年(大正6)に第2期工事が完成して、延べ6,600㎡(2,000坪)になった店舗は、帝都の名建築の一つに数えられました。
上野店は、1923年(大正12)9月1日の関東大震災の翌日に類焼、灰燼に帰しました。ただちに再建に取りかかり、1ヵ月後に仮営業所、2ヵ月後には仮店舗を立ち上げました(このとき初めて土足入場を実施)。
1929年(昭和4)に建築したルネサンス風の荘厳華麗な新館は、上野広小路の都市風景をも一変させたといわれました。電話に民間初の自動交換機を採用するなど、設備も時代の最先端を行くものでした。
1957年(昭和32)に南館を増築。この地下3階、地上7階の画期的な増床で、売場面積は本館と合わせて、35,000㎡に達しました。
「いとう松坂屋」となってから200年という節目の年。高度成長第2段階の「いざなぎ景気」の中で開催した記念催事「ルノワール展」(主催:毎日新聞社)はとりわけ好評で、約15万人の入場客を集めました。
2007年(平成19)、「Reconnection(リコネクション)」をテーマにリニューアル。上野の街全体の活性化に貢献するため、地域との新しい関係を築こうというテーマを端的に表すキャラクターとして、上野を象徴する「桜」と「パンダ」を組み合わせた「さくらパンダ」が誕生しました。
2017年(平成29)11月、上野御徒町に「パルコヤ」「TOHOシネマズ」が仲間入り。「シタマチ.フロント」としての街開きとなりました。
おかげさまで250周年。これまでも、そしてこれからも。