創業以来のロングセラー、
ファミリアの打合せ半袖肌着。

文/天野志穂
2021/8/12

FAMILIAR

半袖肌着

女性たちの母なる愛情が紡ぐ、
革新的なベビー服メーカー。

こぐまのキャラクターが目印のベビー・子ども関連ブランド「ファミリア」。あの可愛らしいこぐま、「ファミちゃん」という名前だそうです。子育てパパとママの間では知らない人がいないほど親しみのあるブランドですが、その誕生は戦後間もない1950年。1948年に神戸市の商店街の一角で、4人の女性によりスタートした「ベビーショップ・モトヤ」が物語の出発点です。創業者のひとり、坂野惇子さんは長女出産時に欧米の育児法を学び、日本の家庭に広めたいという熱い想いを抱き、「赤ちゃんや子どものためにより良いものを」と仲間と一緒に新しいベビー服づくりを始めました。それがのちの「ファミリア」です。2016年度後期のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』の主人公のモデルと言えば、おわかりになる方も多いのではないでしょうか。今でこそ働くママは珍しくありませんが、当時は働きながら子育てすることがどれほど大変なことだったか想像に難くありません。

左から、ファミリア創業の立役者である田村光子さん、坂野惇子さん、田村江つ子さん、村井ミヨ子さん。

1950年、神戸市に誕生したベビーショップ・ファミリアの1号店。

赤ちゃんの着心地を
最優先した肌着の誕生

日本では、赤ちゃんのおむつひとつとっても、古いゆかたを再利用したものが主流だった時代。当時のベビー衣料品は、残念ながら赤ちゃんのことを最優先に考えられていないものが多かったそうです。そこで、「ファミリア」が真っ先に取り組んだのが肌着。今回ご紹介する打合せ半袖肌着は、「生まれたばかりの赤ちゃんの肌を上質な生地でやさしく包みたい」という創業者の想いから誕生した、創業当時からのロングセラーとなったブランドの原点ともいえる商品です。赤ちゃんの肌はとてもデリケートで、直接身につける肌着は“ネクストスキン(第2の肌)”と呼ばれるほど大切な衣類であることに、子育てをする女性だからこそ気づけたのかもしれません。

1950年の発売以来、半世紀以上に渡ってロングセラーの打合せ半袖肌着は、時代とともにママたちの悩みを解決すべく進化している。

やわらかな肌触りなので、赤ちゃんが年中快適に過ごしていただけます。

丁寧なものづくりで
現代のママのニーズにも対応

そのため、素材はもちろん、縫製からデザインまで、すべては赤ちゃんが心地いいための工夫があちこちに。今では主流となっている、縫い目やタグが外側の仕立てというのも「ファミリア」が日本で最初に考案したもの。活発な動きを妨げずに汗をしっかり吸収するよう、伸縮性と通気性に優れた日本製の上質な綿100%のフライス編みの生地を使用。繰り返し洗濯をしても風合いが損なわれず、型崩れしない丈夫さも魅力です。脇下のヒモで身幅を調整できる打合せ型なので、成長に合わせて生後4ヶ月頃まで着用でき、ママだけでなく赤ちゃんにとっても嬉しいことずくめ。新生児の誕生のお祝いギフトにも、必ず喜ばれるはず。
すべては赤ちゃんや子どものために。創業以来変わらない信念が、「ファミリア」にしかできない高いクオリティを可能にし、世代を超えて愛される商品を生み出せる秘訣なのではないでしょうか。

赤ちゃんの敏感な肌を刺激しないように、タグは外側に。裁断から縫製、モチーフのプリントも一枚一枚手作業で行われる。

今ではベビー用肌着の定番となった打合せのデザイン。サイズを調整できるのがうれしい。

〈ファミリア〉

打合せ半袖肌着 税込1,980円

/本館5階

※数に限りがございますので、品切れの際はご了承ください。

ファッションエディター

天野 志穂

Shiho Amano

1973年神奈川県生まれ。上智大学卒業後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。雑誌『Vingtaine』、『ELLE Japon』のファッション担当を経て、2013年渡英。2018年に帰国した後、フリーランスとして活動。雑誌やWEB、広告などでディレクション、編集、執筆を行う。