大人専用!
ミニショルダーの決定版
- 文/森下隆太
- 2021/5/10
dunhill
ロック バッグ
イギリスらしい品格を備えた、
唯一無二のスクエアフォルム
ニューノーマルな生活様式の下、デジタル化が加速し、電子マネー決済なども普及。財布もずいぶんとすっきりして、流行りのミニ財布に買い替えたという方も少なくないでしょう。スマートフォンとカードケースだけをポケットに入れ、手ぶらで外出−−。そんな休日も増えました。ですがやはり、軽装であっても自身のステータスをしっかりと演出したいという日もあるわけで。
そこでミニショルダーの出番なのですが、この手のバッグはどうしても子供っぽさが先行してしまいます。そこでピックアップしたのが、今回の逸品「ダンヒル」の「ロックバッグ」です。
アイテム紹介の前に、少し歴史をおさらいしておきましょう。
創業者はアルフレッド・ダンヒル。1880年、ロンドンにて、父が起こした馬具用品専門の製造卸会社で働き始め、1893年に21歳の若さで経営を引き継ぎます。社名も自身の名を冠した「ダンヒル」に変更し、長い歴史がスタートします。
黎明期は、自動車の普及に伴い、レザーの知見を生かしたカーコートやゴークル、グローブなどを手がけ、成功を収めます。その後は紳士の日常に不可欠な嗜好品、ライターなどタバコ関連の製品でも知名度を上げ、ブランドイメージを高めることに。そしてその人気を不動のものにしたのが、映画「007」です。ジェームズ・ボンドが身につけるスーツやライターに「ダンヒル」のアイテムが使われ、ラグジュアリーブランドとしての地位を確立しました。
このバッグにも、イギリスらしい質実剛健なデザインやディテールが見られます。まず特筆すべきは直線的で男性的なスクエアフォルム。アーカイブである1960年代のアタッシュケースから着想を得ていて、角張ったフォルムが男らしいムードを醸し出します。さらに、創業者の名を冠したADブラスという名の真鍮の錠前が堅牢さをアピール。素材は上品な光沢を湛えたボックスカーフを使用。革靴にも使われるようなレザーですので、傷にも強い。クロシェットもついていて、防犯性もばっちりです。
内装は、収容物が傷つかないようにナイロン素材のライニングを敷いてあります。サイズは、スマートフォンとミニ財布の収納にぴったりです。この2つを入れると中で”遊び”の空間ができないような計算された作りで、こちらもミニマルなストイックさにつながっています。
マスキュリンな色気あふれるバッグは、まさに大人専用。装いが軽くなるこれからの時期に、重厚感をプラスする”装飾品”として、ラグジュアリーな品格を携えてくれることでしょう。
ダンヒル
ロック バッグ 税込237,600円
/北館1階
※数に限りがございますので、品切れの際はご了承ください。
ファッションエディター
森下 隆太
Ryuta Morishita
1986年熊本県生まれ。早稲田大学卒業後、編集プロダクションを経て、雑誌「HUgE」「MEN’S CLUB」の編集に携わる。現在はフリーランスとして広告やカタログ、雑誌を中心に活躍中。ファッションのみならず、文学、映画など様々なカルチャーをこよなく愛する。