日本が世界に誇る“技”と“美”の結晶
純白に輝く、
グランドセイコー SBGA211
- 文/森下隆太
- 2020/10/27
Grand Seiko
腕時計 スプリングドライブ
独自の複雑機構を搭載し、
世界中の愛好家が熱い視線を送る一本
生活様式が様変わりした今年。サステナブルな機運も高まる中で、“定番”や“老舗”などのワードで括られるアイテムはやっぱり強い。そういった観点から見ると、世界最高峰のスイス時計とも肩を並べて語られる国内最高峰のブランド「グランドセイコー」は、安心感が違います。
1960年、スイス製に負けない高級時計を、という志のもと誕生した「グランドセイコー」。1967年にアイコニックな「44GS」が登場してからは、“セイコースタイル”というデザイン理念を確立。文字盤に見られる、“極力平面部の面積を多くする”というコンセプトは、“屏風”や“障子”といった、直線と平面を主体にした和の様式美を参考にしたものです。また、この頃にはすでに精度の面でも、国際的なコンペティションでスイス時計と肩を並べるように。1969年に世界初のクオーツ式腕時計を登場させると、機械式のみならず、クオーツ式時計でも大きなインパクトを残しました。
また「グランドセイコー」が世界中の時計愛好家から一目置かれる理由のひとつに、すべてのパーツを自社で生産していることが挙げられます。複雑な機械式時計のパーツのすべてを自社で賄うことは難しいのですが、「グランドセイコー」は完全自社生産を行っており、やはり特別感があります。
今回ピックアップした「SBGA211」は、これまた特別な超高性能ムーブメントである「スプリングドライブ」を搭載しています。これは機械式とクオーツ式のメカニズムを融合させた画期的な駆動機構で、巻き上げられたゼンマイをクオーツ式時計に用いられる調速機でコントロールし、正確性を担保するというもの。ご覧のモデルも駆動機構だけで200以上のパーツを用い、0.01mm単位で加工・調整し、作られています。しかもすべて、人の目と手によって、です。
海外への渡航が容易ではない今年、国内のリゾートや老舗旅館などが改めてフォーカスされていますが、ファッションアイテムや時計なども、改めて日本のブランドを見直すいい機会かと。
供給できる量が少ないため、希少性も高い。実用性は言わずもがな、コレクションとしても長い間愛でることができる逸品です。
グランドセイコー
スプリングドライブ SBGA211
税込682,000円
/北館5階
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ファッションエディター
森下 隆太
Ryuta Morishita
1986年熊本県生まれ。早稲田大学卒業後、編集プロダクションを経て、雑誌「HUgE」「MEN’S CLUB」の編集に携わる。現在はフリーランスとして広告やカタログ、雑誌を中心に活躍中。ファッションのみならず、文学、映画など様々なカルチャーをこよなく愛する。