インテリア vol.2
ベッドルームを快適にする空間づくり
カトリーヌ|インテリア設計士・インテリアコーディネーター
今回のNAVIGATOR
カトリーヌ
|インテリア設計士・インテリアコーディネーター
HIRO DESIGN事務所を開設し、インテリア設計士・インテリアコーディネーターとして、主に家づくりのサポートをしている。
インテリア設計士・インテリアコーディネーター
ベッドルームから考える快適な暮らし
人生の1/3は睡眠だと言われており、ベッドルームを快適にすることは、睡眠の質を高め、ひいては心身の健康にもつながります。vol.2では〈日本ベッド〉のショールームにて、ベッドルームのインテリアの考え方をご紹介します。快眠できる、心地よい寝室づくりをしてゆきましょう。
|Point.1| ベッドルームの「窓とベッドのレイアウトとカーテンの関係」
空間を快適にするには、お気に入りのアイテムをそろえるだけでなくインテリア全体のバランスが重要です。主にマンションのベッドルームはスペースが限られているので、ベッドと窓が近接することがよくあります。このような場合、外気温が伝わりやすいため暑さや寒さを感じやすくなり、快眠が妨げられてしまうことも。特に冬場は、温められた部屋の空気が窓ガラスによって冷やされて下降することにより室内の上部と下部に大きな温度差が生まれる「コールドドラフト現象」が起きやすくなり、床の近くに冷たい空気層ができてしまいます。窓の下端から風が抜けるような感じですね。ベッドヘッドに腰窓(腰の辺りの高さにある窓)がある場合は、ベッドに仰向けになったときに顔の上に冷気が来てしまうということもあります。
そのようなときに工夫したいのがカーテンです。厚地の布を使ったカーテンで窓全体を覆うよう取り付けましょう。そうすることで冷えを防止できますし、逆に夏は冷房で冷やした空気を外に逃げにくくできます。1年を通して大きなメリットを実感できるアイテムです。できれば上部も隙間なく覆えると理想的なので、カーテンボックスやカーテンバランスをつけることをおすすめします。カーテンボックスとは、カーテンの上部やカーテンレールを隠すことのできる箱状のもので、カーテンバランスは、レール辺りに取り付ける上飾りのこと。これらを取り入れることで、機能面に加え見た目も華やかな感じにすることができ、装飾面もグレードアップします。インテリアにおいて見た目のおしゃれさも大切ですが、機能面も重要です。カーテン取り付けの参考にしてみてくださいね。
|Point.2| カーテンでグッと変わる、寝室のイメージ
お部屋のイメージチェンジをしたいときは、カーテンを変えることで大きな変化が期待できます。色や柄、デザインにもよりますが、大きな絵画を飾っているといえ、印象が変わるからです。インテリア初心者の方は、小さな窓から試してみましょう。カーテンの種類やスタイルにこだわって、自分の理想の寝室をつくってみてはいかがでしょうか。
お部屋に合うカーテンとは?
まず、カーテンの丈には基本スタイルがあります。掃き出し窓でレースを窓側、ドレープを室内側に付ける場合、レースカーテンは、床からマイナス2cm、ドレープカーテンは床からマイナス1cmで、レースが見えないように。腰窓の場合は窓額縁の下端から15〜20cm程度プラスするのが基本。床までの丈にすると、外気温対策にもなり、部屋のアクセントにもなりますよ。
カーテンには、既製カーテンとオーダーカーテンがあります。既製カーテンは丈の長さやヒダの数などがある程度決まっているため、自宅の窓に合うかどうかをしっかりと調べる必要があります。一方で、オーダーカーテンは、寸法、プリーツ数、デザイン、柄合わせ、裏地の有無など、何通りものスタイルが可能で、まさしくオリジナル。窓にぴったり合ったサイズとなり、満足度が高いことが魅力です。
オーダーカーテンの場合は担当スタッフと一緒に決められるので安心です。「床より長めのスタイルがいい」「レースカーテンとドレープカーテンの吊り位置を逆にして遊んでみたい」などの希望は、イメージ写真などを使って必ず伝えましょう。
高層マンション※の場合には、火災の際に燃え広がりにくい「防災カーテン」を選ぶよう、注意すると安心です。※建物についてはご確認ください。
タッセルにもこだわってみよう
カーテンを選ぶときに、同じくこだわってほしいのがタッセルです。カーテンに付属の共布タイプがよく見られますが、装飾タッセルを選ぶとベッドルームのインテリアがより理想のイメージに近づきます。さまざまなデザインやテイストのアイテムがあるので、ナチュラルなお部屋にしたい場合は自然を感じさせるウッディなもの、クールなお部屋にしたい場合は無機質な印象のスチールが使われているものを選ぶなど、素材感を合わせるとインテリアに馴染みますよ。色については、カーテンの柄の中の一色とタッセルの色をそろえると合わせやすく、こだわりも光ります。カーテンがワンピースだとしたら、タッセルはネックレス。装飾タッセルは難しく考えがちですが、アクセサリーを選ぶような感覚で選ぶと良いですよ。
|Point.3| ベッド選びは、マットとフレームから
ベッドを選ぶ際には、ベッドマットとベッドフレームに注目しましょう。マットは人によって身体に合うものや好みも異なるので、ぜひ店頭で試してみてください。寝転んで違和感のないものを選ぶことが大切です。ベッドフレームはインテリアのイメージに合わせて選びましょう。素材も確認しながら見てみてくださいね。
自分に合うベッドマットを選ぶ
寝心地に重要なのがベッドマット。自分の体にしっかりとフィットするマットを選ぶことがポイントです。ベッドマットには、コイル型とノンコイル型があり、コイル型にはボンネルコイルとポケットコイルがあります。ボンネルコイルは筒型のコイル(バネ)を連結させたもの。身体を面で支えるので硬めの寝心地で、寝返りが打ちやすいのが特徴です。ポケットコイルとは、不織布にコイルが一つずつ包まれたもの。コイルが一つずつ独立して点で身体を支え、体圧を分散できるのが特徴です。最近ではポケットコイルが主流になりつつあります。今回は〈日本ベッド〉のショールームにて、さまざまなベッドを見ながらお話を伺いました。〈日本ベッド〉でもポケットコイルが主流になっているそうで、あっさりとした寝心地のビーズシリーズとより深みのある寝心地のシルキーシリーズの2つがあります。
店頭では、ベッドに腰掛けるだけでなく、寝転んだり寝返りを打ったりしながら身体全体でしっかり試すことが大切です。マットレスは柔らかければ良いわけではありません。身体が沈みすぎない、寝姿勢の理想姿勢があります。担当スタッフの方のアドバイスを受けながら、「これが気持ちいい」という寝心地を見つけてください。
お部屋のイメージを決めるベッドフレーム
ベッドフレームは、木製、スチール製、木とスチールのコンビ、レザーなどの素材でできたアイテムがあります。素材は、インテリアのイメージに合った色、形状、手触り感のものを選ぶのがコツです。ヘッドボード付きのほか、サイドテーブルや照明が付いたタイプなどさまざまですが、そこはご自分のライフスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
ヘッドボード付きの「レストクイーン」。アールデコ調の伝統的なスタイルを現代的なフォルムにまとめたエレガントなベッドフレームです。
木の質感が印象的なベッドフレーム「プレーリー」。一枚の木を曲げて作った一体感のあるフォルムが特徴です。オプションのフットベンチでホテルライクな雰囲気に。
本革のクッションが付いたベッドフレーム「アジュール」。ボリューム感がありながらもコンパクトなので、日本の暮らしに合わせやすいベッドです。また、オプションのフットボードでラグジュアリーな演出も可能です。
実際にショールームで色々なスタイルを見ながら、自分のお気に入りを見つけてみてくださいね。
実際にショールームで色々なスタイルを見ながら、自分のお気に入りを見つけてみてくださいね。
|Point.4| ベッドルームのカーペット、ラグ使い
最近の住宅はフローリングが主流ですが、ベッドルームの床にはカーペットやラグを敷くことをおすすめします。冬場はもちろんのこと、冷房を使う夏場も足元の冷え防止になり、眠る間際や寝起きの素足にほっとするような優しい感触を与えてくれます。ベッドまわりのフローリングは寒々しく感じることもあるため、ラグを敷くと視覚的にも暖かな印象になりますよ。あしらい方次第でインテリアの印象も変えることができ、インテリアイメージを作りやすいのも特徴です。種類や敷き方などを解説していきます。
カーペットの場合は全体に敷いてベッドを載せます。床の傷つきを防げるほか、床からの冷気を抑えることが可能です。オーダー、タイルカーペット、一般市販品などがあります。ラグの場合は、先ほど登場した「アジュール」の画像のように大きめのものを足元やベッドの下半分に、もしくは上記の〈フィスバ〉の画像のように左右どちらかポイント敷きもおすすめです。斜めに配置するとダイナミックな印象で、お部屋のアクセントにもなりますよ。毛足の長さや形状などによって肌触りやイメージが大きく変わるため、実際に触れながら選ぶと良いでしょう。
今回は、ベッドルームのインテリアについてご紹介しました。ベッドやカーテン、ラグなど、トータルでバランスよく取り入れることで、空間が快適になりますよ。ぜひご参考ください。次回は、「ライティングを味方におしゃれな空間づくり」をテーマに、照明の基本から応用までたっぷりとお伝えします。お楽しみに。
次回は2月下旬の更新を予定しています。
取材協力/
左:日本ベッド 名古屋ショールーム
所在地:名古屋市中区丸の内1-15-20 ie丸の内ビルディング1F
電話:052-218-2663
営業時間:11時〜18時 ※完全予約制
定休日:火、水曜日、夏季休暇、年末年始
取材協力/日本ベッド 名古屋ショールーム
右:松坂屋名古屋店 本館6階 家具売場
電話:052-264-2860(直通)
営業時間:10時〜19時
所在地:名古屋市中区丸の内1-15-20 ie丸の内ビルディング1F 電話:052-218-2663 営業時間:11時〜18時 ※完全予約制 定休日:火、水曜日、夏季休暇、年末年始
取材協力/松坂屋名古屋店 本館6階 家具売場
電話:052-264-2860(直通)
営業時間:10時〜19時
※写真はイメージです。クッション等装飾品は本体価格に含まれません。
※ショールームの展示品はカラー・仕様が異なる場合がございます。
カトリーヌ KATHERINE
建築デザイン事務所にてCADアシスタントとして勤務したのち、大手設備メーカーにてショールームアドバイザーとして勤務し、その後大手ハウスメーカーリフォーム会社にて勤務。営業・プレゼン・工事・施工・監理といった一連の業務を経験。2010年よりフリーランスとなり、HIRO
DESIGN事務所を開設。インテリア設計士・インテリアコーディネーターとして、主に家づくりのサポートをしている。著書に『わたしの家色さがし』。
公式HP:https://www.hiro-design-color.jp / https://katherine.design
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※掲載品は2023年1月27日時点の取り扱い商品・価格です。商品の内容や価格は変更になる場合がございます。
※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。
※予約販売となる商品もございます。
※アレルギー等、商品の詳細は扱い売場にお問い合わせください。
※写真はイメージです。撮影用の装飾品は商品に含まれておりません。