KIMONO COLORSe Elegance of Japanese Dress参考館内観参考館外観 元文元(1736)年、呉服太物小売業に業態を転換した「伊藤屋」は正札販売「現金掛値なし」の新商法が功を奏して、尾張藩の呉服御用を務めるまでになりました。 そして延享2(1745)年、京都室町錦小路に高級呉服の仕入の店舗を構えました。4年後の寛延2(1749)年に新町通六角下ルへ移転、以来何度か火災に遭いましたが、その都度再建し、約260年にわたって呉服の仕入を続けました。【京都仕入店の開設】 松坂屋は、明治時代からきもの図案の募集を行い、大正時代には「台麓図案会」を創設するなど、積極的に服飾意匠の開発とデザイナーの育成に務めてきました。また、社内に設けた「衣裳研究会」の会員が、京都・奈良の各寺院や時代染織品・工芸品の収集家を訪ねるなどして、多くの図案に触れてきました。 昭和6(1931)年「時代衣裳を収集し、染織意匠の向上と優秀呉服の制作に質する」ことを目的に、京都仕入店内に「染織参考室」を設置しました。以後、小袖、能装束、振袖、帷子、陣羽織などの衣裳、古代裂、コプト裂(エジプト)、インカ裂(南米)、更紗(インド)などの裂地、その他雛形本、能面、屏風、鎧・兜など、多種多様の美術・工芸品を昭和14年にかけて集中的に収集し、約1万点を3つの土蔵に収蔵しました。そして昭和32年、コレクションの永久的保存を目的に、送風、空気清浄、温湿度調整など当時の科学の粋を集めた宝物殿ともいうべき「染織参考館」を建築しました。【染織参考館の建設】 収集した染織参考室の収蔵品を参考資料に、昭和の染織文化財として後世に残り得る最高級品の制作を目的に昭和9年、京都仕入店に「松坂屋染織研究會」を設置しました。染の千總、織の矢代仁、帯の岡本、他、わが国を代表する呉服の匠といわれる技術者各社の協力も得、そして第1回の高級呉服催事「染織名作展」を昭和10年に東京の帝国ホテルで開催。続いて大阪の新大阪ホテル、名古屋の昭和ホールでも実施しました。【染織名作展の開催】第1回「染織名作展」図録「染織名作展」(昭和35年帝国ホテル)京都仕入店社員集合写真(昭和5年頃)仕入店本蔵の錠前客間への玄関松坂屋京都仕入店外観松坂屋染織研究會 役員並會員(昭和15年)ご案内松坂屋名古屋店 南館7階10月2日(土)→11月21日(日)10月29日(金)は休館日(一部展示替えのため)開館時間=10時~19時30分 ただし、最終日は18時閉館(いずれも入館は閉館30分前まで)※( )内は前売り料金 ※障害者手帳・特定疾患医療受給者証をお持ちの方と付添いの方1名様まで無料入館料(税込)= 一般 1,000円(800円)、高・大生 800円(600円)中学生以下無料松坂屋創業410周年・松坂屋美術館開館30周年記念うつくしき和色の世界わ の い ろKIMONO
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